愛しのAromaticDays ~ by Mermaid moon ~

山形県西村山郡河北町にある癒しのスクールとサロンです。
2017年ひっそりとよもぎ蒸しもはじめました。
日々移ろいスクール情報を更新していきます。

精油の発火点?その2 発火点とMSDS(SDS)

おはようございます。
マーメイドムーンの高橋幸枝(さちえ)です。


ミルラの発火点の件ですが、気になっていたのでさらに調べました。
モヤモヤ解消はしておりませんが、一応途中過程・・・。


①引火点と発火点の違いと着火点
引火点と発火点は昨日のブログ通り
・引火点:火元が近くにあって引火する温度
・発火点:自然に火が出る温度
です。
では、発火点と着火点なのですが基本的には同じ意味とみてよいようです。
厳密にいうと
・発火点:液体が自然発火する温度
・着火点:個体が自然発火する温度
ということで、正しく?細かく言えば、精油の場合液体ですので「発火点」が正解。


【参照】
引火点と発火点の違い - 火が付く温度・自ら燃える温度 | 図解でわかる危険物取扱者講座


②発火点(着火点)を調べるには
精油メーカー(日本では雑貨扱いのため、出せないところもあるかもしれません。)の公開するMSDS(SDS)=製品安全データシートで確認する。
昨日、ふと、故・藤田忠男氏のブログで拝見したことを思い出したのでした。
私の知る限り、成分分析表に載せているところはみたことがありません。
ネット上公開しているのは、(フランス語と英語ですが)当店でも扱っている『フロリハナ』が公開しています。
『flashpoint』がヒントになるでしょう。
ただ、これを見ててまた、頭が混乱してきましたよ。
なぜなら、発火点が低いから、枕元に置いたミルラを付けたティッシュが発火したと考えていたし、会報誌にもそのように記載してあったのですが・・・。
フロリハナのMSDSには、111℃と記載されています。
111℃は決して低温ではないですよね?
プラナロムは本社のHPもみましたが見つけることができませんでした。
念のためナードの規定するミルラの成分構成比率をプラナロムとし、フロリハナのミルラロット番号FLJ042M190116SOを比較してみることにします。


【プラナロム:ミルラ(NARDケモタイプ精油事典ver.8より抜粋)】
セスキテルペン炭化水素類
・クルゼレン20~50%
・フラノオイデスマ-1,3-ジエン20~40%
・リンデストレン5~15%
・他β-エレメン、ゲルマクレンA、δ-エレメン


【フロリハナ:ミルラ(Lot:FLJ042M190116SO)】
セスキテルペン炭化水素類
・クルゼレン28.55%
・フラノオイデスマ-1,3-ジエン28.09%
・リンデストレン9.54%
・他 β-エレメン、ゲルマクレンA、δ-エレメン
他に
モノテルペン炭化水素類
エステル類    など


ほぼセスキテルペン炭化水素類が占めるミルラですが、構成成分比率を見る限り、発火点も同程度ではないかと思われるわけです。
ですから、昨日記載した、フランキンセンスの発火(着火)点を例に挙げてはみましたが、科名と部位が同じことから想定してブログを記載してましたが、なんだかモヤが濃くなってきました。

フロリハナ資料



アロマと出会って、14年ほどになりますが、私が出会った精油は、未だ自然発火したことはありません。引火についても、火を使うキャンドル式ディフューザーも愛用してきましたし、フットランプにもなる白熱灯の熱を利用した原液を垂らすタイプもトラブルを耳にしたことはないのです。
ただ、会報誌に畳が焦げた写真と共に、ミルラの発火が報告されていたのは事実。


で、実はこれが私の考えなのですがもしかすると静電気が大きな要因かもしれません。
下記クリックして火災予防の方法をご覧ください。
第4類危険物(引火性液体)とは - 乙4対策のキーポイント | 図解でわかる危険物取扱者講座


静電気を発生しにくくするため~…というくだり。


『枕元に、ミルラを垂らしたティッシュ』という状況。
ティッシュって確かに静電気発生しますよね。。

空気が乾燥して静電気が発生する時期だとしたら??
ティッシュではなくアロマストーンなら?
他にも諸条件あるかとおもいますが、皆様どう思われますか??


ミルラは単体で大量に使うということはまず考えられない精油であると私は思います。
コストもお高い部類ですし、香りも、私は黒糖のような甘さとどこかに松脂のような酸味をもつ樹脂の香りと感じます。単体というよりかは、他の精油と混ぜて使うのが私の使い方です。
香水や香油を作るときに、ミルラは、揮発性が低いベースノートです。
貴婦人や紳士、格式を重んじるような雰囲気を印象づけるのが得意な香りのように私は捉えています。


わたしのモヤは、きっとまた、これまでもそうであったように、何かの学びに赴いた際に点と点が繋がりすっきりするんでしょう。
このすっきりするタイミング思いがけないところだったりします。


初心者🔰にはマニアックすぎる内容・・・。
長々と私の疑問にお付き合いいただきありがとうございました。


10月18日水曜日
今日は教室におります。
来週から外部講座が入ってまいりますので、忘れ物がないよう、準備をちゃくちゃくと。
資料作成しておりますので、精油などをお求めになりたい方はお越しくださいませ。
『ミルラ』『フランキンセンス』ともに香りをお試しいただけます。
ハンドトリートメントでしたら、すぐに承れますので、お声がけくださいね。



今日は、空気が冷たいですね!
ご自愛くださいませ。


山形より愛をこめて。

精油の発火?について

こんにちは。
マーメイドムーンの高橋幸枝(さちえ)です。


今日2度目の投稿です。
昨日10月16日午後、NARD JAPANから、会報誌Vol.130が届きました。


生活習慣病とアロマテラピー~骨粗鬆症(こつそしょうしょう)~がテーマではありますが、それはまた後日。
今回は、インストラクターとセラピストの合格発表、新トレーナーの紹介も掲載ということもあり、アロマフェススタッフや、アロマ繋がりのお友達も数名結果待ちの方がいらしたので、ポストに封筒発見しすぐさま開封しました。


まずは合格された皆さまおめでとうございます。
今回失敗した方も、諦めずに次回挑戦して欲しいと思います。
絶対に努力は無駄にはなりませんから!!


色んな想いを巡らせながら、会報誌を拝見していたのですが、ふと、ページをめくると、『ミルラ精油 発火の注意について』という報告が載っていました。


ミルラとナードジャパン会報誌


これまで、アロマで火事といえば、精油ではなく、植物油脂に含まれるリノール酸の酸化熱でコインランドリーが火災になったなどはお聞きしたことがあったのですが、
なんと、「ミルラ」で、しかも引火ではなく「発火」。


引火は、例えば火元の近くで精油に火がつくなど、火種があって燃え移ることを引火といいます。
発火は、何もせずとも、火が起こることをいいます。


会報誌によれば、ティッシュにミルラ精油を含ませ、枕元に置いたところ発火という報告が協会に寄せられたとのこと。
これまでに耳にしたことも、私自身が経験したこともなかったので、非常に衝撃的でした。
協会の実験によれば、ミルラを5ml(100滴)ティッシュに含ませ重ねて押さえつけると燃えはしないまでも熱がこもったとのこと。
『熱がこもる』ということは一定の条件が揃えば発火する可能性があるようです。


個人的に、ミルラは、ボディートリートメントでは使ったことがない精油です。
私に関していえば、香油や顔用の美容オイルなどのアロマクラフト、ハンドメイドコスメの方が使います。
ミルラの発火点に関しては具体的な温度の情報など、見つけることができませんでした。
これからも調べて参りたいと思います。
似たようなものだと、同じカンラン科のフランキンセンス(抽出部位;樹脂)が着火点32℃前後ということですので、恐らくミルラも樹脂抽出ですから同じく着火点も低い(低温で引火しやすい)ということが考えられるでしょう。
後日思い当たり、化学的な部分から調べた結果ミルラの着火点は111℃ということがわかりました。
詳しくは次のブログで。


でも、100滴も垂らすとなれば、極端な話精油の5ml瓶一本をティッシュに開ける行為になるので、そんな使い方を普通はしませんよね・・・。
どんな状況が発火する状況なのか・・・。
車中置き去りは論外でしょうけど・・・。
いずれにせよ、注意するにこしたことはありません。


ミルラ、フランキンセンスといえば、
両方とも、キリスト誕生に際して東方の三賢人が黄金と共に献上したとされる樹脂です。
キリスト誕生と言えば、クリスマスまであと二か月半。
着火点を考えるとフランキンセンスやミルラは、多量にキャンドルに使うのは避けたほうがいいかもしれませんが、自己判断で。
経験上は大丈夫ですが、こんな報告があるとやはり心配にもなります。


では。
今日も長々とお読みいただきありがとうございます。



石けんになるってこういうこと

おはようございます。
マーメイドムーンの高橋幸枝(さちえ)です。


今日は前回書きかけた、油と水がなおぜ石けんになるのかについて、苛性ソーダの取り扱い上の注意にも触れながら書いてみます。


『油と水の関係』
馴染まないものの例え。類義語として犬猿の仲。


油と水は混ざりません。
かき混ぜ機を使っても、ペットボトルに入れて振っても、絶対に混ざらないのが油と水です。
しかし、石けんは、油(液体)や脂(固形)と水を原料として作ります。


なぜ、決して馴染むことのない油と水が石けんになるのか。
何かを使わないと石けんにはならないのです。


石けんになるとは、どういうことかと申しますと、
油脂の成分と水をバラバラにして、そのバラバラになった分子が違う相手と手を結び、その結果できたのが石けんなのです。
その際に使うのが、「劇薬指定の苛性ソーダ(NaOH)」です。
正しく言うと、NaOH自身も、油脂と水をバラバラにしながら、自分自身もバラバラになり、苛性ソーダから全く別の石けんという固体(純石けん=脂肪酸ナトリウム、とグリセリン)の一部になります。


子どものおもちゃに「レゴ」ってありますよね。
凹凸のプラスチックの硬い立体パズルみたいなものです。
油脂と苛性ソーダと水が、石けんになる過程はアレで分かりやすく説明できます。

レゴブロック



例えば、最初にレゴブロックで作った怪獣がいて、バラバラにして電車を作るとします。
それをバラバラにするのが、水に苛性ソーダを溶かしたアルカリ水を油脂に注いだ状態


水に苛性ソーダを溶かすと、それぞれの成分がバラバラになるために、①毒ガス②高熱(90℃超)を発しながら、③強アルカリ性の水溶液になります。
手づくり石けんはここからはじまる化学反応を利用して作るのです。
さらに、温度が40℃程度になったら、同じく40℃~約60℃程度の油脂にアルカリ水を注ぎ、かきまぜると、油脂も成分がバラバラになり、他の成分とくっつきあおうとします。
化学反応を起こしている真っ最中のものを型(モールド)に注ぐわけです。
その日は作る石けんの種類にもよりますが、基本的には保温します。
40℃程度の温度を発しながらゆっくりと石けんになります。
そうして一日以上かけて、手づくり石けん(脂肪酸ナトリウム=石けんを指す化学用語とグリセリン)と水分になります。
丁度、レゴが電車になったのがこの段階です。
ですが、石けんの場合には、化学反応を利用して作るので、レゴのように一筋縄ではいきません。


なぜなら、Phが強アルカリだからです。人の皮脂膜(皮脂腺から出る皮脂のこと)は弱酸性。強アルカリでは人の皮膚には刺激が強すぎるのです。同時に、水分を抜く(乾燥)させます。

昔作った酒かす石けん



だから、更に20日以上かけて、Phを強アルカリから弱アルカリ性へと変化するのと、水分が抜けるのを待ちます。マーメイドムーンでは、保険で+10日後、つまり、型に注いでから一か月後を解禁日として設定しています。


さて、ここまで一通りの流れを説明しました。
お読みいただいた方の中には、下記のような疑問を持たれる方がいらっしゃるでしょう。
ちょっとまとめました。


Q.手づくり石けんは劇薬を使うから危険なのでは?
危険なのは、苛性ソーダを水に溶かす際に出る①毒ガス②高熱と③強アルカリ(たんぱく質を分解する)という一時的な性質なのです。
ですので、
①毒ガスに対しては吸い込まないように「充分な換気」「マスク」
②高熱と③強アルカリに対しては皮膚の保護のために「ゴム手袋」そして目の保護のために「めがね」
が必須となります。
また、濡れた手や腕に落とした苛性ソーダがつくことがないように、万が一、苛性ソーダをこぼしたときの危険を防ぐために必ず新聞紙などをテーブルにしきます。そうすると、新聞紙ごと捨てれますし、テーブルも汚れずに済みます。


Q.石けんの中に、苛性ソーダが残るのでは?
そんな心配もあるかと思います。
そのための予防線として④溶かす際の音に注意を払うことと⑤油脂分を10%残すということをしています。
溶かす際の音に注意を払う…水に苛性ソーダを投入してステンレススプーンでかきまぜると最初はカラカラ音がします。混ぜていくうちに、音がしなくなります。これが溶け残りがない合図です。
油脂分を10%残すことで、出来上がりをマイルドにするということです。
実際に作って、使ってみるとわかりますが、べたつきませんし、程よくしっとりした質感を感じることができるでしょう。そして、その質感は、配合する油脂の種類と率によって変わるんですよ。そこがまた面白いところです!!
それともう一つ・・・、大事なことがあります
油脂によって、1gが石けんになるための苛性ソーダの量が異なるということです。
マーメイドムーンでは、しあわせ石けん教室®ベイシックコースで、この計算の方法と理論もお伝えしています。
これまで卒業された生徒様もちゃんと、ご自身のオリジナルのレシピを作成できるようになって卒業されています。


2008年頃に初めて手づくり石けんを作り、そこから石けんを作る楽しさと使い心地に魅了され、学びと試行錯誤を続け、現在に至っています。
新鮮な、おいしいオリーブオイルをはじめとして、ココナッツオイルやパームオイル、米油など、キッチンにある道具と材料を中心に作る、石けんの素晴らしさは奥深いものがあります。
個人的には『使って消えるもの=たまらないもの』であることもまた魅力の一つだと思っています。この点はアロマクラフトも同じです。
はかないものだからこそ、愛着を感じるのです。


ぜひ、一緒に楽しく石けんを作ってみませんか??
しあわせ石けん教室ベーシック of 山形アロマと石けん教室 マーメイドムーン
お問い合わせお待ちしております。


今日も長々とお読みいただきありがとうございます。
それでは、今日も元気にいってらっしゃい。




山形より愛をこめて