愛しのAromaticDays ~ by Mermaid moon ~

山形県西村山郡河北町にある癒しのスクールとサロンです。
2017年ひっそりとよもぎ蒸しもはじめました。
日々移ろいスクール情報を更新していきます。

石けんになるってこういうこと

おはようございます。
マーメイドムーンの高橋幸枝(さちえ)です。


今日は前回書きかけた、油と水がなおぜ石けんになるのかについて、苛性ソーダの取り扱い上の注意にも触れながら書いてみます。


『油と水の関係』
馴染まないものの例え。類義語として犬猿の仲。


油と水は混ざりません。
かき混ぜ機を使っても、ペットボトルに入れて振っても、絶対に混ざらないのが油と水です。
しかし、石けんは、油(液体)や脂(固形)と水を原料として作ります。


なぜ、決して馴染むことのない油と水が石けんになるのか。
何かを使わないと石けんにはならないのです。


石けんになるとは、どういうことかと申しますと、
油脂の成分と水をバラバラにして、そのバラバラになった分子が違う相手と手を結び、その結果できたのが石けんなのです。
その際に使うのが、「劇薬指定の苛性ソーダ(NaOH)」です。
正しく言うと、NaOH自身も、油脂と水をバラバラにしながら、自分自身もバラバラになり、苛性ソーダから全く別の石けんという固体(純石けん=脂肪酸ナトリウム、とグリセリン)の一部になります。


子どものおもちゃに「レゴ」ってありますよね。
凹凸のプラスチックの硬い立体パズルみたいなものです。
油脂と苛性ソーダと水が、石けんになる過程はアレで分かりやすく説明できます。

レゴブロック



例えば、最初にレゴブロックで作った怪獣がいて、バラバラにして電車を作るとします。
それをバラバラにするのが、水に苛性ソーダを溶かしたアルカリ水を油脂に注いだ状態


水に苛性ソーダを溶かすと、それぞれの成分がバラバラになるために、①毒ガス②高熱(90℃超)を発しながら、③強アルカリ性の水溶液になります。
手づくり石けんはここからはじまる化学反応を利用して作るのです。
さらに、温度が40℃程度になったら、同じく40℃~約60℃程度の油脂にアルカリ水を注ぎ、かきまぜると、油脂も成分がバラバラになり、他の成分とくっつきあおうとします。
化学反応を起こしている真っ最中のものを型(モールド)に注ぐわけです。
その日は作る石けんの種類にもよりますが、基本的には保温します。
40℃程度の温度を発しながらゆっくりと石けんになります。
そうして一日以上かけて、手づくり石けん(脂肪酸ナトリウム=石けんを指す化学用語とグリセリン)と水分になります。
丁度、レゴが電車になったのがこの段階です。
ですが、石けんの場合には、化学反応を利用して作るので、レゴのように一筋縄ではいきません。


なぜなら、Phが強アルカリだからです。人の皮脂膜(皮脂腺から出る皮脂のこと)は弱酸性。強アルカリでは人の皮膚には刺激が強すぎるのです。同時に、水分を抜く(乾燥)させます。

昔作った酒かす石けん



だから、更に20日以上かけて、Phを強アルカリから弱アルカリ性へと変化するのと、水分が抜けるのを待ちます。マーメイドムーンでは、保険で+10日後、つまり、型に注いでから一か月後を解禁日として設定しています。


さて、ここまで一通りの流れを説明しました。
お読みいただいた方の中には、下記のような疑問を持たれる方がいらっしゃるでしょう。
ちょっとまとめました。


Q.手づくり石けんは劇薬を使うから危険なのでは?
危険なのは、苛性ソーダを水に溶かす際に出る①毒ガス②高熱と③強アルカリ(たんぱく質を分解する)という一時的な性質なのです。
ですので、
①毒ガスに対しては吸い込まないように「充分な換気」「マスク」
②高熱と③強アルカリに対しては皮膚の保護のために「ゴム手袋」そして目の保護のために「めがね」
が必須となります。
また、濡れた手や腕に落とした苛性ソーダがつくことがないように、万が一、苛性ソーダをこぼしたときの危険を防ぐために必ず新聞紙などをテーブルにしきます。そうすると、新聞紙ごと捨てれますし、テーブルも汚れずに済みます。


Q.石けんの中に、苛性ソーダが残るのでは?
そんな心配もあるかと思います。
そのための予防線として④溶かす際の音に注意を払うことと⑤油脂分を10%残すということをしています。
溶かす際の音に注意を払う…水に苛性ソーダを投入してステンレススプーンでかきまぜると最初はカラカラ音がします。混ぜていくうちに、音がしなくなります。これが溶け残りがない合図です。
油脂分を10%残すことで、出来上がりをマイルドにするということです。
実際に作って、使ってみるとわかりますが、べたつきませんし、程よくしっとりした質感を感じることができるでしょう。そして、その質感は、配合する油脂の種類と率によって変わるんですよ。そこがまた面白いところです!!
それともう一つ・・・、大事なことがあります
油脂によって、1gが石けんになるための苛性ソーダの量が異なるということです。
マーメイドムーンでは、しあわせ石けん教室®ベイシックコースで、この計算の方法と理論もお伝えしています。
これまで卒業された生徒様もちゃんと、ご自身のオリジナルのレシピを作成できるようになって卒業されています。


2008年頃に初めて手づくり石けんを作り、そこから石けんを作る楽しさと使い心地に魅了され、学びと試行錯誤を続け、現在に至っています。
新鮮な、おいしいオリーブオイルをはじめとして、ココナッツオイルやパームオイル、米油など、キッチンにある道具と材料を中心に作る、石けんの素晴らしさは奥深いものがあります。
個人的には『使って消えるもの=たまらないもの』であることもまた魅力の一つだと思っています。この点はアロマクラフトも同じです。
はかないものだからこそ、愛着を感じるのです。


ぜひ、一緒に楽しく石けんを作ってみませんか??
しあわせ石けん教室ベーシック of 山形アロマと石けん教室 マーメイドムーン
お問い合わせお待ちしております。


今日も長々とお読みいただきありがとうございます。
それでは、今日も元気にいってらっしゃい。




山形より愛をこめて